フォロワーあのね

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完全に嘘の日記

 

 

今日は休み、昨日は夜勤だったので日中何もしてなく、部屋の隅で隣の部屋の性行為の音漏れに頭を悩ませながら埃を吸っていたくらいしか出来事がなかったので、完全に嘘の日記を書こうと思います。

 

今朝、家に荷物が届きました。(嘘)

 

 

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中くらいの段ボールにやたらガムテープが貼ってあります。(嘘)

 

なんだろうと思い箱を開けてみると、中には少しボロくなった手紙ときびだんごが入っていました。(嘘)

ちなみにきびだんごは袋とかなくて直で入ってたので信じられないくらい汚れてます。

 

僕はとりあえず手紙の封を切りました。

手紙には、

 

「いつかの約束の吉備団子です」

 

と見覚えのある筆跡が。

 

思い出しました。これ、3組の桃太郎君の筆跡だ。

 

遡ること8年前。

 

 

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中学一年生のとき、学校の帰りに海辺を通っていると同級生ぽい人たちが砂浜で何かを囲んでいるのが見えました。

 

隣のクラスの猿山くんと雉子谷くん、犬柴さんと桃太郎くんです。

どうやらウミガメを中心に袋叩きにしているようだったのですが、少しかわいそうなので

 

芭蕉「あっちの方にもっと蹴りやすそうな生き物が転がってたよ」

 

と教えてあげると、

 

「サンキュ!」

 

と言って猿山くん、雉子谷くん、犬柴さんとウミガメは僕が来た方に走って行きました。

 

ちなみにそっちの方にはマジで蹴りやすそうな人魚がいて、僕はさっきこの人魚に尻子玉を抜かれたので腹が立っていました。

丁度いいクソガキがいたので僕の代わりに制裁しておいてくれていると幸いです。

 

そして僕は袋叩きにされてた桃太郎くんに

 

芭蕉「大丈夫?」

 

と声をかけました。

 

普通にウミガメ含めた4人にフルボッコにされてた桃太郎くんは、右目の上にタンコブを作っており、

 

桃太郎「一人でも大丈夫だったのに」

 

と僕に唾を吐いてきました。

 

僕は別に助けたつもりとか一切なく、ただただクソガキ集団に人魚を殴って欲しかっただけなので

 

芭蕉「そんなつもりじゃ……」

 

と言いながら唾をかけてきた桃太郎くんに砂をかぶせました。

不思議なことに、桃太郎には顔を見ただけで暴力を振るいたくなる魅力があるようです。

 

 

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そのまま帰るのもアレだったので砂浜でスマホをいじってたら、桃太郎が突然立ち上がりポッケから生のサンマを二匹取り出し、僕の方に向けて

 

桃太郎「生体磁場が発生してる……」

 

とぶつぶつ言いながら近寄ってきました。

かなりキモいです。

 

桃太郎「これからマジックをするので見ていてください」

 

突然何を言い出すのか。

僕は呆気にとられて「うん」というだけで精一杯でしたが、相手は全身ボコボコに殴られており両手には悪臭を放つサンマがでろんと垂れ下がっています。

従わなかったらどうなるのかわかったもんじゃありません。

 

桃太郎「これからこのサンマがあなたの服の中にワープするので、よく覚えておいてください」

 

何をだ。何を覚えればいい?

 

桃太郎「いきますよ〜……ポン!」

 

桃太郎くんはそういうと両手に持ったサンマをぶつけてぐちゃぐちゃにしてしまいました。

何かしらの汁が飛び散ります。

 

サンマを潰しておいて何が「ポン!」だ。

 

僕はほんとにこいつキモいなと思いましたが、その瞬間背中に違和感を感じました。

 

芭蕉「えっ何!?キモい!!!!」

 

桃太郎「鏡をどうぞ」

 

桃太郎くんがなぜか持っていた姿見で確認すると、たしかに僕のシャツの背中側にベタベタのサンマが入っていました。

 

最悪です。

 

桃太郎「ではこれから京都に来てもらいます」

 

これ以上関わるとロクなことにならないのはわかりきってましたが、こんなサイコパスに歯向かうと何をされるかわかったものではないので仕方なく付いていくことにしました。

 

京都はここから自転車で10分くらいです。

 

僕は普通に自転車に乗ったのですが、桃太郎くんはなぜか異常に早い競歩でずっとついてきていたのでかなりキモかったです。

 

京都に着くと、いつもと雰囲気が違いました。

 

 

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桃太郎「疫病が蔓延してるからだよ」

 

桃太郎くんはスタスタと1番大きなお屋敷のほうに歩いていきます。

 

何が疫病じゃ、こっちは新型コロナで似たような目にあっとんじゃと思いましたがこれは中学生の頃の話なのでまだ新型コロナとかありませんね。まあこの話嘘なんでどうでもいいんですけど。

 

お屋敷に着くと、桃太郎くんは突然悪臭のするリュックからトンカチを取り出しました。

 

『山口中学校 技術室』

 

と書いてあります。100%学校から盗んできたのでしょう。

 

 

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桃太郎「これ、打ち出の小槌」

 

「これ、ミニプルーンの苗。」と完全に同じイントネーションだったので一瞬何を言われたかわかりませんでしたが、桃太郎くんの言ったことで何を言われたかわかったことなんて一度もなかったので適当に

 

芭蕉「はぁ」

 

返事をしました。

 

桃太郎「それではいきます……ポン!」

 

芭蕉「え?」

 

桃太郎「これから鬼ヶ島へ行って仏の御石の鉢を回収しないといけない、ついてこい」

 

芭蕉「誰かに聞いたの?」

 

桃太郎「屋敷からシグナルパワーを受信した」

 

僕はいよいよ本格的に逃げ出したい気持ちにかられましたが、相手は学校から盗んできたトンカチを形に持っています。しかも生臭い。

 

打ち出の小槌らしいですがさっきから何も起こりません。まずはそのでかい態度を小さくしろ

 

協力しなければ後が怖いので、しぶしぶついて行くことにしました。

 

そこからバスと船を乗り継いで鬼ヶ島へ向かったのですが(片道890円)、意外に人(人というか鬼)が多く、ガストとかみずほ銀行とか普通にあってびっくりしました(コンビニはなぜか無かった)。

 

桃太郎「見つかると殺されるから、二手に分かれて親玉を討とう」

 

僕は親玉の顔も知らないし、なんなら武器も持ってなかったので不安です。

 

芭蕉「それは厳しい」

 

桃太郎くんは盗んできたトンカチと背負ってる姿見があるのでなんとかなりそうですが、僕は学校の帰りなので文房具くらいしかありません。

シャフトでアニメ化もされてないので文房具では戦えませんし、八方塞がりです。

 

桃太郎「できないのならここでお前も討つ」

 

さっきからあまりにも支離滅裂でしたが、いざ自分に殺意が向けられるとかなり怖いです。鈍器を持った発狂者は笑えないくらい強いので

 

桃太郎「もしできるなら後日きびだんごを郵送しよう」

 

芭蕉「わかった」

 

死にたくは無かったので、適当に返事をして僕は大通りの方から、桃太郎くんは海沿いの崖を伝って島の反対側へ行くことになりました。

 

 

突然一人になったので、とりあえず近くのユニクロで服を買い、快活クラブでシャワーを浴びてからサンマの匂いを落としました。

ずっと臭かったので

 

すぐに出発するのもアレだったんで、うえきの法則を3巻くらい読んで出かけようと思い漫画コーナーを物色しているとさっきの人魚がいました。

 

人魚「奇遇ですね」

 

人魚は片腕を骨折していました。

 

芭蕉「何かあったんですか?」

 

人魚「人間のクソガキにやられてしまいまして……参っちゃいますよ」

 

河童でもないくせに人の尻子玉ぬいといてなんだこいつはとは思いましたが、骨折までさせられて腸が煮え繰り返ってないわけがないでしょう。

 

芭蕉「いまこの島の崖のほうに、そのクソガキのリーダーがいますよ」

 

と親切に教えてあげると、人魚は僕の分の料金も払ってくれた後にそちらへ駆けていきました。

 

そのあとはお腹が減っていたのでガスト鬼ヶ島中央通り店でチーズインハンバーグを食べました。

チーズインハンバーグって先にナイフで上の方だけを切って開けるとチーズフォンデュみたいになるんですよね。楽しい

 

ドリンクバーへジュースを取りに行くと、スーツを着たガタイのいい鬼がいました。

 

芭蕉「もしかしてこの島の親玉の方ですか?」

 

鬼「そうですよ」

 

芭蕉「先ほど親玉を討つと言って人間の子供が崖へ向かって行きました」

 

鬼「ご忠告ありがとうございます、警察へ連絡しておきます」

 

その鬼は僕の分の会計も済ませてくれた後、外へ出て行きました。

 

僕は適当に時間を潰した後、結界師の再放送に間に合うように夕方の船に乗って家に帰ることにしました。

帰りが遅くなるので親が心配しているかもしれませんが、事情を話せば納得してくれるはずです。

 

 

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帰り際、鬼ヶ島に響き渡るパトカーのサイレンを背中に僕は船に乗り込みました。

 

次の日学校に行くと、桃太郎くんは転校していました。かわりに人魚が転入してきていましたが、水がないと生活できないので初日の二時間まで救急車で運ばれてしまったようです。

 

 

それから8年後の今日、なぜか今になってきびだんごが家に送られてきました。

 

今引っ越して住所も変わってるはずなのに、どうして郵便が届いたんだろう。

どうして段ボールがこんなにボロボロなんだろう。

何故きびだんごがこんなに汚れてるんだろう。

 

まあ、嘘の話なんで理由とかないんですけどね。

 

僕は汚いきびだんごをゴミ箱に捨て、段ボールを畳んでゴミ捨て場に持って行きました。

 

今日は休み、もう少し絵休憩したら夏コミの原稿をしよう、そう思って玄関を閉めた途端、扉越しに聞き覚えのある声が聞こえてきました。

 

 

 

「ポン」