今日はGLF28、同人誌即売会に初のサークル参加をさせていただきました!
この日記でも準備の過程を度々話題にあげていましたが、長い道のりでした……
386キロくらいですね。
ちなみに山口から東京までの距離です。
元々、1時間かけて描いた絵が
(腕を組んで歩いている女の子2人のイラスト)
こんなだった僕が他の趣味をほぼ捨ててなんとかここまで漕ぎ着けました。
同人即売会なんて山口に住んでいる田舎者からすれば夢のイベントで、その即売会に自分の席があるなんてもの夢のまた夢です。ゆめゆめです。
人間、努力すればなんでもできるものです。
ちなみに「ゆめゆめ」は漢字で書くと「努努」です。
つまりそういうことなのでしょう。
さて、そんな気持ち的には2年半かかったサークル参加でしたが、あまりに僕の中で一大イベントだったので朝のことから全部書いていきたいと思います。
今後サークル参加をはじめる予定がある方は覆る前車と思って是非参考にしてください。
10:15
え〜本日はお日柄もよく……
僕の嫌いな特殊攻撃の雨です。最悪です。
そして迷子になってました。
事前に会場までの道のりを調べていなかったからですね。
いくらスマホが便利な時代だからと行って油断は禁物でした。
そして以前にもお話ししましたが、僕は靴下が濡れた状態で長時間過ごすと脳みそから身体に悪い煙が出てきて死んでしまうという身体的特徴があります。
なので今回も替えの靴下を持って行こうとしたのですが、ここで「中村彼方さん(スタァライト楽曲の作詞家の方)の擬人化」と名高い星井もこさんの愛想笑いが脳裏に蘇ります。
20歳にもなってそろそろ恥ずかしくなったので靴下は置いてきました。
この有様です。
今ふと思ったんですけど、「このザマ」って「この有様」の省略形なんですかね?
めんどくさいので調べませんが……
10:32
なんとか雷門に到着。
いやここに到着しても全く意味ないんですけどね。
普通に人波に流されて迷子になっていました。
𝑀𝐸𝑅𝑂𝑁𝑃𝐴𝑁、購入____
しかしサークル入場開始の時間は10:45。
デートの待ち合わせには5時間前に到着している僕からすればこれは大遅刻です。
急いで会場に走ります。
ところで関係ありませんが、観光地の地面ってツルツルして雨が降ると滑りやすいですよね。
関係ありませんが人前で滑って転ぶのはかなり恥ずかしいです。
関係ありませんが、観光地の地面、もう少し凸凹するべきだと思うんですよね。
10:52
到着。
机の角に自分の考えたサークル名のシールが貼ってある衝撃といったらありません。
しかも申し込みの時に誤字ってたから「少女☆過激レヴュースタァライト」って書いてある。
申し込みの時から緊張って何?
スタァライトのBDかなにかのCMでひかりちゃんが
「これは、過激……」
といっているセリフがあって、当時は何を言っとんのやこいつは……と思った僕ですが、今やそれをフォロワーから言われかねない状態です。
どうやらこのシールは取ってしまって構わないようなので、そそくさと準備にとりかかります。
11:00
準備開始。
ところで即売会というのはみなさん御本は郵便屋さんに頼んで運んできてもらって本人は身軽な格好で来るか、キャリーバックの方が多いようです。
ですが前日無謀にもトートバックだけで行こうとして中身が溢れてしまった僕は、「自分の持っている一番容量の大きなカバンに詰めよう!」と考えた結果何故かでかいリュックサックを選んでしまいました。
おかげで見た目は完全に一人旅をしている大学生だし、会場で2人くらいに笑われました。
ですが結果的に良かったですね。
運びやすい、濡れない、たくさん入るの三拍子揃った完璧なカバンでした。見た目はともかくね。
ちなみにこのリュック、タイに行く際に買ったものです。
これから先「タイ行って何か意味あった?」と尋ねられたら「即売会の時に便利だよ」と答えるようにします。
……なかなか準備の話が始まりませんね。
それもそのはず、僕はここにきて固まってしまっていました。
何をすればいいのか本当にわからない。
先ほど「即売会に自分の席があるのは夢のまた夢」とお話ししましたが、その時の僕は「夢のまた夢」の手前にいたわけです。
いうならば「魔法の杖を用意してやったからそれで空飛んでみてよ」と言われているのと気持ちは変わりません。
え?
本当に……この机の半分は僕のスペース?
ここに布敷いていいの?
コピー本並べても怒られない?
パニック寸前になった僕はひとまず
お釣りの小銭を作るために、血の涙を流して祝日手数料を払い引き出したお金で買った水を飲みました。
ピチピチ……
そして誰もまだ椅子に座ってる人はいなかったのにとりあえず椅子に座ってツイッター。
漢字変換すらまともにできない状態です。
ですがツイッターでつぶやいてもほとんどのフォロワーはこの会場にはいない。
でもそうか。ほとんどがいないということは数人はいるはず。
そうだ! 胃痛さん(@jitsuni_ii_i )が近くだったはず!
そう思い涙が溜まりかけの目で胃痛さんを探しましたが、よくよく考えれば前回一方的に観測したのが2ヶ月前とかそのあたり。
僕は焦ると美人の顔が思い出せないという個性があります。
爆豪くんが手から爆発を出せるように、お茶子ちゃんが宙に浮くことができるように、僕には美人の顔が思い出せないという個性があります。
胃痛さんを探すもなにも胃痛がする僕は胃痛さんを思い出すこともできず(すみませんでした)、とりあえず
水を飲みました。
ピチピチ……
こうしていても仕方がない。
たとえ僕の準備が終わらなくてもイベントは始まってしまう。
太ももをつねって気合を入れ直した僕は、とりあえず荷物を机の上に広げました。
壊れました。
逆に冷静になっ僕は、とりあえず
水を飲みました。
喉が水すら受け付けないというのは初めての経験だったのですが、それでもピチピチを無理やりノドに流し込んで、壊れたパーツをリュックにしまいます。
そして布を広げて机に敷いたところで、まさかの角度から僕はまた追い詰められます。
『これからサークル交流タイムとなります。頒布OKです』
運営からのアナウンス。
嘘でしょ!!?!?
もうそんな時間!!?!??
当時の僕にとってはもうこのアナウンスは
「これから皆さんには殺し合いをしてもらいます」
とほぼ同義です。
焦りと緊張と焦りで、ついに、ちょっと泣いてしまいました。
もともと泣き虫なんですけどね。
ですが逆にこれが僕を追い詰めてくれたことで準備をする手が素早く動くようになります。
が、普通に冷静ではなかったようで、えもさんからのDMの指示を曲解してセロテープの上から押しピンで止めるという非効率極まりない飾り方をしたり、
何故か実家の猫の写真を眺めたりと冷静な行動とは真反対の行動を積極的に取り始めてしまいます。
この時点でもう会場まで15分もありません。
とりあえず完成しなくても、万が一人が来てくれたときに手に取ってもらうようにするためには……と考えたところ、僕がするべきは本を並べることでした。
本を並べる。
……
本を並べる!!?!?
それはつまり、「僕が描いた漫画を僕の目の前で他の人の目につくようにする」ということです。
僕はネット上以外では、あまり他人に自分の絵を見せるタイプではありません。
つまりこのごに及んで何が言いたいかというと、
めちゃくちゃ恥ずかしぃ……
ですが前を見ると会場の外にはすでに長蛇の列。
一旦落ち着きましょう(もう落ち着く時間もないけど)。
カタログを開きます。
自分の絵が載ってるオエ゛ッ
นำยิ่นบำบบำาี……
腹をくくらざるをえないようです。
コピー本を机の前に置いていきます。
感覚的にはそうですね、自分の全裸の写真を並べるくらい恥ずかしかったです。
あ〜〜あのセリフこうするべきだった、あのネタ何回めだよ、やっぱこれ捨てるか、あの絵は描き直すべきだった、なんだよ豚骨って、自分のやつ取ってなかったな、なんだよ音声認識穂波パンチって、これ捨てるか、見本誌に「見本誌」って描いてなかった、よく考えたらラブフェスなのに百合要素ないじゃん、これ捨てるか!!!
いろんなものが僕の頭の中でぐるぐると渦巻きますが、身体の行動にそれを反映させるほどの脳みその容量はすでになく、朝食べたもやしが喉にせり上がってくるのを感じながら机の上に全裸の写真を並べ終わりました。
そんなどろどろの状態でなんとか完成したのが
これでした。
フォロワーに謝らなければいけないのですが、僕はこのツイートで嘘をついてしまっています。
涙目ではなくちょい溢れるくらいの涙でした。
もう限界です。めまいがしてたっていられません。
小銭入れも用意してない、お釣りも出してない、まだ片付けも終わってない、まぇがみもそろぇてなぃ……😢
前髪はおろか、もう大好きなツイッターも開けないほど疲弊してました。
入場が始まり、あの中から1人でも来てくれたら大成功だな、じゃあそろそろ帰るか……と手元の小銭入れをリュックに詰めようとした矢先、視界の端に少し駆け足気味で僕の顔を見ている人がいるのに気づきました。
「新刊全部ください!!」
!!!!
♪〜One Love (BGM)
実際あの方が一言一句そういったのかどうか、どんな顔をしていたのかはもう今の僕には思い出せません。
ですが、それでもあの日のさとひなと同じくらい僕には輝いて見えました。
「ありがとうございます!」
そう言って本を渡したつもりでしたが、たぶん文字に起こすと
「ตเวあゅงบっยัเน่่่่จววัตっす!!」
とかでしたね。
よかった、一部とってもらえた〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!
と安心して座ろうとしたのもつかの間、2人目の方がその後ろにいてくれて、ふと顔を上げると
めっちゃ行列!!!!
実際のところ、今思い出せる光景は脳内で補正がかかっていると思います。
その時は3人とかだったかもしれません。
それでも僕にはタピオカレベルの行列に見えました。
そして何人目かの方が、
「えもさんの全部ください!」
えもさ〜〜〜〜〜〜ん!!!!
「全部ください」というセリフは僕の夢ではありましたが、まさかそれが叶う前に言われることになるとは思ってもいませんでした。
「ตเวあゅงบっยัเน่่่่จววัตっす!!」
また声にならないお礼を言って、缶バッチ、ポストカードを生まれたてのハムスターを扱うかのように丁寧に袋に詰めてお渡ししました。
人から受け取るお金の重たいことよ。
そしてみんな
「今日のスタァライト楽しみにしてます!」
「フォロワーあのね、めっちゃ面白いです」
「ツイートすごく楽しみにしてます!!」
「้เะวบบสวบรี่!」
と言ってくださいました。
たぶんだけど、あれは僕に言っていたのだと思います。
僕も同人誌を買うことはあったので、その一言を伝えるのにどんなに緊張するか理解しているつもりです。
初めてゴエさんの本を買った時、言いたいことの2割も伝えられませんでした。
次に胃痛さんの本を買った時、日本語が喋れなくなってエスペラント語を喋ったことも覚えてます。
ですが昨日あの場で僕に声をかけてくれた方々、たとえどれだけ噛んでいようと、どれだけ早口になっていようと、今後僕が死ぬまでそのセリフを忘れない程の嬉しさを与えたことを自負してください。
僕が友達と遊ぶのも諦め、やりたいこともほとんど諦め、ひたすらiPad Proと向き合った400時間は無駄にはなりませんでした。
そして世界一価値のある100円玉たちによって小銭入れがパンパンになり、次のを開こうとした時、今並んでいる列の人数が、残っている本より多いことに気づきました。
あ、
冷や汗が流れます。
やばい、足りない
ですが微妙な顔で渡すわけにもいきませんので、最後の一冊まで僕がその時できる限りの笑顔と「ありがとうございます」で袋を渡して、お金を受け取ります。
流れ作業ではありますが、流れ作業にならないようになるべくなるべく丁寧にしました。
急いでいた方はすみません。
お待たせしてしまった方もすみせん。
ですがここだけは本当に可能な限り丁寧にさせていただきました。
そして驚く速さで完売してさっぱりとした机を前に、並んでた方々に「すみません、本なくなりました!」と声をかけた時は申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
世界に僕のことを知ってる人が何人いるかもわからないのに、その数人にすら全員に本を渡すことができませんでした。
申し訳ないです。
ただ口ではこういうものの、正直めちゃくちゃ嬉しかったです。
真夏のようにこめかみに汗をかいて、ひとまず家族にLINEしました。
時間を見たら15分。
15分の出来事でしたが、体感的には2秒でした。
あんなに短く感じる濃い時間は今後ないでしょうね。
そしてあまりにも配りきれなかった方が多かったので、伊奈利(@inari_cosmi )さんに協力していただき二手に分かれて一旦会場を離れ、
コンビニで増刷しました。
正直完売したからといってまた増刷するのは確実に余ることになって"そういう"教訓を含んだ昔話のような流れになると思ったのですが、完売して列を抜けてしまった方達の表情が頭から離れません。
その人たち分だけでも、と思い刷ったのですがそれでもまた列ができて全員にお渡しすることができませんでした。
重ねて申し訳ないです……
ただぶっちゃけるとかなり嬉しいです……
嬉しいですが、渡し切れないという罪悪感がここまですごいとは思っていませんでした。
次はリアルな話、100部とか刷って持って帰るレベルにしたいですね。
そしてそれから後もフォロワーの方が遊びに来てくれて、普段リプライを交わしてるのに顔を知らなかった人たち、めちゃくちゃえもさんの話で盛り上がれる人たち、コスプレイヤーの人たち(マンゴー餌付けしてくれた人いた)、ブログの感想やカクテルの話を聞いてくれた人たち、いろんな方とお話しすることができました。
差し入れもたくさんいただきました。
5日ぶりに人と話したので、夕方伊奈利さんとお喋りしてたら急に声が出なくなって驚きましたね。
家に帰ってからもしばらく余韻が抜けなくて外を散歩したりしてました。
昨日は一日、滅多にない体験を色々とさせていただきました。
普通に生きてたら同じ日に何十人から「応援してます!」なんて言われることありませんからね。ありがとうございます。
11月のイベントも色々と用事が間に合えばまた参加したいと思います。
3rdの次の日というジャイアンみたいなスケジュール管理ではありますが、それはそれで楽しいでしょう。
今回のコピー本も紙の質は変わりますが刷り直して再販するので、もし受け取れなかった方は是非また遊びに来てください。
お待ちしてます。
追伸
やっぱり観光地の床はもう少しザラザラさにするべきです。
腰が痛いです。