フォロワーあのね

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結構前の話なんですけど 2

みなさんタイ語のキーボードってスマホに入ってますか? 僕は入ってますが……

 

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本当に使う機会ないです。

 

あの時以外は使ってません。

 

あの時のお話をしましょう。

 

タイの田舎町で犬に殺されかけて(狂犬病の予防注射していなかったので噛まれたらアウトでした)、通りがかったおっさんがたまたま英語を話せる人だった上に農家の主人だったので泊めてもらえることになった僕。

 

しかし、安心できたのも束の間、ご主人が出かけてる時にことは起こりました。

 

とりあえずコンテナ(中はしっかりしてて宿泊施設として機能してました。空いた土地をホテルとして利用してたのかな)の中で少し休憩してたとき、農家の長女の人が来て言いました。

 

「×€3〆+4°?」

 

いや聞き取れんわ。

 

英語で話しかけても仏頂面。聞く姿勢は見せて欲しいな。

高校生の頃の合唱練習で女子と険悪になった時を思い出して辛くなりながら、仏頂面の前でスマホを操作してなんとかWi-Fiを盗んでキーボードを追加しました。

 

「プリーズ、打ち込み……アー、ポチ、ポチ」

 

意外にジェスチャーだけでも通じるものです。

 

グーグル翻訳を使って打ち込んでもらったのですが、帰ってきたスマホに浮かんでた文字は

 

「何しにここにきた?」

 

え、怖。

 

「道に迷ってしまって……」

 

タイ語で返信をしたら、少し先の駐車場まで連れていかれて、家族全員呼ばれました。タイの農家の家族だからすごいですよ。長女、次女、長男、奥さんに祖父祖母、あとチワワ。

このチワワが一番怖かったです。さっき野良犬に殺されかけたばかりだったので……

 

もうこの状況なので向こうはタイ語で話しかけてくるし(会話する気ゼロ?)、唯一同情してくれてたっぽい長男は途中どこか行っちゃうし。タイの農家は祖父最強の家系らしいです。どこもそうか。

 

僕を無視して会話してる時に「テロリスト」みたいな単語が聞こえてきた時は焦りましたね。いや、タイでテロリストのこと「テロリスト」って言うのかどうかは知らないんですけど、当時の僕は身長が半分になるくらいビビってたので、もう震えあがりました。

この時の恐怖が原因で今の僕の身長は本来の3分の2しかありません。

 

やばいな、何か喋らなきゃな、でもタイ語の知識はないし……どうすれば……

 

そこで僕は原点に帰りました。英語の教科書の見開きコラム「世界の○○○○」にあった単語。あれ、1つだけ知ってるタイ語がある。これしかない。いこう。

農家の会話を遮って、震えた声で言いました。

 

「サ……サワディー」

 

たぶん震えてたので正しく発音できたかはわかりません。

「おはよう」って意味だと思います、サワディー。挨拶は会話の基本だと思って、とりあえず口に出してみました。

 

あれ、よく考えたら前に「おはよう」に関して日記書いてましたね。伏線回収ってことにしといてください。

 

みんな無言になっちゃったので(そりゃ黙ってた日本人が急に「おはよう」って言ったら黙るよね)、もう一度「サワディー」と言いました。

 

無言。遠くから聞こえる謎の儀式の音楽。犬の遠吠え。

 

ミスった?

 

「Would you like to get in a car?」

 

聞こえてきたのはさっき何処かに行ってしまったご主人の声。後ろには長男。

呼びに行ってくれたのね……!

 

そこからは僕がたまに英語で相槌を打ってるだけでトントン拍子で話が進んで、なんだかんだ明日の朝にご主人の車で日本でいう東京まで連れて行ってくれることになりました。

 

それっぽく書いたつもりだったけど、「サワディー」言う必要全くなかったな。

 

ひとまず今日はコンテナで寝ることに。

 

「I can not speak Thai, so how can I tell thank you?」

 

最後にご主人に尋ねました。「ありがとうってタイ語でなんていうの?」

 

「コップンクラップ」

 

コップンクラップ。2つ目のタイ語です。

特にお礼を言いたいわけでもないけど、日本人だし、と思ってペコペコ頭を下げながら

 

「コップンクラップ、コップンクラップ」

 

と言うと、さっきまで怖い顔してた人たちもみんな笑ってくれました。

良かった〜〜

 

じゃあ今日は寝よう、と思ってコンテナまで帰って、最後になんとなく振り返りました。

 

みんなこっちみてる。

 

ひぇ……

 

結局その日はよく眠れなくて、次の朝そそくさと車に乗せてもらい都心まで連れて行ってもらいました。

農家の人はともかくご主人本当にいい人すぎますね。今年の暑中見舞いは彼にも出さないと。

 

都心に着いてからは平和でした。

 

一度野良犬に囲まれてるので、ヤンキーに囲まれても、

 

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日本が恋しくて食べたラーメンがクソまずくても、笑顔でいられました。

 

日本に帰った時は豪雪だったんですけど、雪を踏んだ瞬間安心して涙がこぼれちゃいましたね。

タイはずっと暑かったので……

 

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結局何だったんだと言われればそもそも目的がなかったので何もないんですけど、1人で目的もなく外国に行くのは危ないってことを知ることができました。まあ自分から田舎に行ったのがマズかったんですけどね。

 

フォロワー、もし海外に行くことがあって一緒に行く人がいなければ僕を呼んでください。

 

いつでもタイ語のキーボード出せますよ。